全国展開だけじゃない!地方で選ばれる「ローカルデリバリーアプリ」完全ガイド


地方都市のフードデリバリー市場が急速に進化している。2024年の国内市場規模は約7,967億円に達し、コロナ前と比較して90%以上の成長を維持。注目すべきは、大手プラットフォームだけでなく、人口30万人未満の都市で独自展開する「地域密着型サービス」が存在感を増していることだ。本記事では、地方在住者が本当に使えるデリバリーアプリを徹底調査し、各サービスの強み・料金・対応エリアを比較解説する。


地方で使えるデリバリーサービス5選とその実力

1. Wolt(ウォルト)—「地方都市を優先開拓」する北欧発サービス

フィンランド発のWoltは、2020年に広島から日本上陸するという独自戦略で注目を集めた。現在は29都道府県・100エリア以上に展開し、札幌・仙台・新潟・松山・鹿児島など地方中核都市を網羅している。

Woltの最大の強みはカスタマーサポートの質だ。30秒以内のチャット対応を目標に掲げ、アプリストア評価は業界最高水準の4.8点。配達員に適性テストを課し、バッグにはヒーティングプレートを内蔵するなど、「おもてなしデリバリー」を徹底している。

項目内容
対応エリア29都道府県(北海道〜沖縄)
配達料50円〜450円(距離制)
サービス料商品代金の10〜12%(最大360円)
月額プランWolt+:498円/月で配達料無料
加盟店数約50,000店舗
公式サイトhttps://wolt.com/ja/jpn

2024年11月には北海道で小樽・苫小牧エリアを新規開始。地域密着キャンペーンとして「札幌スープカレー特集」「広島お好み焼きフェア」など、地元グルメを前面に押し出したプロモーションを展開している。


2. 出前館—47都道府県対応の日本最大級プラットフォーム

2000年創業の出前館は、加盟店70,000店舗以上を擁する国内最大のデリバリーサービスだ。47都道府県すべてに展開しており、地方でも選択肢が多いのが特徴。興味深いことに、平均注文金額ランキングの上位は地方県が占める(1位:岩手県、2位:群馬県、3位:奈良県)。車社会の地方では「まとめ注文」傾向が強く、客単価が高くなる傾向がある。

2025年3月に導入された送料変動価格制(ダイナミックプライシング)が注目点だ。従来の固定料金から、注文金額・距離・時間帯・需給状況によって0円〜500円で変動する仕組みに移行。ピークタイム外や近距離注文では従来より安くなるケースも多い。

特筆すべきは「お店価格で出前館」キャンペーン。つくば市・浜松市・名古屋市・神戸市・北九州市の約250店舗で、デリバリーでも店頭価格と同額で注文できる画期的な取り組みだ。導入店舗では「注文数が4〜5倍に増えた」という報告もある。

項目内容
対応エリア47都道府県
送料0円〜500円(変動制)
サービス料無料(他社との差別化ポイント)
アプリユーザー数約1,660万人
公式サイトhttps://demae-can.com/

3. menu(メニュー)—KDDI連携で「au経済圏」の恩恵

日本発のフードデリバリーサービスmenuは、2023年からKDDIとレアゾン・ホールディングスのジョイントベンチャーとして運営されている。33都道府県でデリバリー展開し、加盟店は91,000店舗以上。2024年上期にはデリバリーアプリ新規ダウンロード数1位を獲得した。

最大の強みはPontaパス(月額548円)会員なら配達料が何度でも無料になること。au PAYやPontaポイントとの連携も充実しており、au経済圏ユーザーにとっては実質的に最もお得なサービスとなる。

ただし地方展開には課題も。2023年3月に青森・岩手・秋田・山形・福島など14県でデリバリーを停止し、テイクアウトのみに移行した。利用前に自分のエリアが対応しているか確認が必要だ。

項目内容
対応エリア33都道府県(一部テイクアウトのみ)
基本配達料300円〜(距離により変動)
月額プランPontaパス:548円/月で配達料無料
初回クーポン6,800円分(1,200円×1回+700円×8回)
公式サイトhttps://app.menu.jp/

4. ごちクル—法人・イベント向けに47都道府県対応

スターフェスティバル株式会社が運営する「ごちクル」は、他のデリバリーサービスとは異なる法人・団体向けの予約ケータリングプラットフォームだ。即時配達ではなく1〜3日前の事前予約制だが、47都道府県すべてに対応している点が大きな強み。

加盟店にはなだ万、叙々苑、京料理たか木(ミシュラン2つ星)など高級店も多く、約1,452店舗・18,776商品から選べる。会議、接待、イベント、冠婚葬祭など、まとまった数の注文に最適だ。業者配送のため「崩れにくい」「時間通りに届く」という信頼性も評価されている。

個人利用も可能だが、法人向けに最適化されたサービス設計となっている。請求書払いやアカウント一元管理など、企業の経理処理を効率化する機能が充実している。

項目内容
対応エリア47都道府県
価格帯500円〜高級弁当まで幅広く
注文方式事前予約制(1〜3日前まで)
支払い方法代引・クレジット・請求書払い(法人のみ)
公式サイトhttps://gochikuru.com/

5. 地方発・地域特化型サービスの台頭

大手が進出しにくい人口30万人未満の地方都市では、独自のローカルデリバリーサービスが成長している。

やまがたEats(山形市) は、地元酒販店「北庄武田酒店」と飲食企業「蝦夷ホールディングス」が協業して立ち上げたサービス。30業態・500メニュー超を展開し、**地元スタッフによる「顔が見える配達」が特徴だ。加盟店への手数料は商品代金の20%**と、大手の35%と比較して低コストで導入できる。

トリメシ(鳥取市・米子市) は、IT格差に配慮した「アナログサポート」が強み。電話連絡にも対応し、スマホが苦手な店主や高齢者でも利用しやすい設計。導入店舗では売上130%増の事例も報告されている。

ツタワルフードサークル(大阪府藤井寺市) は、地元スーパー「ビス河南」との買い物代行サービスも提供。フードデリバリーと日用品配達を組み合わせた「地域の生活インフラ」として機能している。


地域限定サービスだからこそ生まれる3つの強み

地元飲食店の参入ハードルが圧倒的に低い

大手プラットフォームの加盟店手数料は**売上の30〜35%が相場。一方、地域密着型サービスは15〜20%**と約半分に抑えられているケースが多い。初期費用ゼロ、タブレット不要など、IT機器の導入負担も少ない。これにより、大手に加盟できなかった個人経営店や老舗飲食店もデリバリー市場に参入できるようになった。

「顔が見える」配達で生まれる信頼と安心

地域密着型サービスの配達員は、ギグワーカーではなく地元企業のスタッフや酒販店の従業員であることが多い。「いつもの配達員さん」という顔なじみの関係が生まれ、特に高齢者世帯では見守り機能を兼ねるケースも。やまがたEatsでは「親子三世代が楽しめる」をコンセプトに掲げ、幅広い年齢層に受け入れられている。

地域経済の循環を促進する仕組み

大手プラットフォーム経由の売上は、手数料として東京本社や海外企業に流出する構造がある。地域密着型サービスでは、売上・手数料・配達報酬のすべてが地域内で循環する。地方創生や地域経済活性化の文脈でも注目されており、一部自治体は導入支援策を設けている。


利用方法・対応エリア・特徴の比較まとめ

サービス別比較表

サービス名対応エリア配達料サービス料最低注文額特徴
Wolt29都道府県50〜450円10〜12%700〜1,000円地方優先開拓、高品質サポート
出前館47都道府県0〜500円(変動)無料なし最大手、店頭価格キャンペーン
menu33都道府県300円〜なし1,000円au経済圏連携、Pontaパスで配達料無料
ごちクル47都道府県店舗によるなし店舗による法人向け予約制、高級店充実
地域特化型特定市町村300〜500円なし店舗による低手数料、顔が見える配達

目的別おすすめの選び方

  • 地方でも選択肢重視→Wolt・出前館(地方展開に注力)
  • au・Pontaユーザー→menu(配達料無料特典)
  • 法人・イベント利用→ごちクル(大量注文・請求書払い対応)
  • 人口30万人未満の地方→地域特化型サービスを検索

注意すべきサービス終了情報

調査時点で確認されたサービス終了・撤退情報は以下の通り:

  • Chompy(チョンピー):2023年5月にフードデリバリー終了。現在はB2B向けモバイルオーダーサービスに事業転換
  • DiDi Food:2022年5月に日本市場から完全撤退
  • foodpanda:2022年1月にサービス休止

利用を検討していたサービスが現在も運営中かどうか、必ず公式サイトで確認することをお勧めする。


地方フードデリバリー市場の成長トレンドと今後

市場規模は約8,000億円で安定成長フェーズへ

サカーナ・ジャパンの調査によると、2024年の国内デリバリー市場規模は約7,967億円。2022年のピーク(約7,754億円)から一時減少したものの、コロナ前(2019年:約4,180億円)比で90%以上の成長を維持している。2025年は約8,240億円(+2.0%)と予測され、急成長期から安定成長期への移行が見られる。

地域特化型フードデリバリー市場は現在約1,000億円規模と推定され、2028年には約2,000億円規模(年平均成長率10%以上)への成長が見込まれている。

ドローン配達・自動運転の実証実験が地方で加速

過疎地での配達員不足を解決する手段として、ドローン配達の実証実験が全国各地で進行中だ。福井県敦賀市では1回300円でドローン配送が実用化。長野県伊那市ではテレビ画面から注文し公民館まで届けるサービスが稼働している。2022年12月の航空法改正で「レベル4飛行」(有人地帯での自律飛行)が解禁され、2025年以降は本格導入が進むと見られている。

「買い物弱者対策」としての社会的役割

移動スーパー「とくし丸」は全国47都道府県で約1,200台が稼働し、高齢者への見守り活動も兼ねている。JA(農協)や生協の宅配サービス、ヤマト運輸の「まごころ宅急便」など、フードデリバリーの枠を超えた地域の生活インフラとしての位置づけが強まっている。


まとめ:地方こそ選択肢が増えている時代

地方のフードデリバリー市場は、大手プラットフォームの全国展開と、地域密着型サービスの台頭により、都市部に劣らない選択肢が生まれつつある。

Woltは「地方都市を優先開拓」という明確な戦略で29都道府県に展開。出前館は47都道府県対応に加え「店頭価格デリバリー」という新たな価値を提案。menuはau経済圏との連携で実質的なコストメリットを提供している。

一方、人口30万人未満の都市では、やまがたEatsやトリメシのような地域発サービスが、低手数料と「顔が見える配達」で存在感を増している。今後はドローン配達の実用化により、さらに地方でのサービス拡充が期待される。

地方だから選択肢がないという時代は終わりつつある。自分の住むエリアでどのサービスが使えるか、各社公式サイトで配達対応エリアを確認してみることをお勧めする。


本記事で紹介した公式サイト一覧

サービス名公式サイトURL
Wolthttps://wolt.com/ja/jpn
出前館https://demae-can.com/
menuhttps://app.menu.jp/
ごちクルhttps://gochikuru.com/
やまがたEatshttps://y-eats.com/

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